AI面接のフィラー対策:「えっと」「あの」を減らして評価を上げる方法
AI面接ではフィラーワードが採点項目として検出されることがあります。なぜ減点につながるのか、根拠となる仕組みと具体的な対策を解説します。

TL;DR:AI面接ではフィラーワード(「えっと」「あの」「まあ」)が音声解析で検出され、評価項目の一つになっているサービスが実在する。沈黙をフィラーで埋めるより、1〜2秒黙ってからハッキリ話し始める方が「落ち着き」として評価されやすい。この記事では、AIが実際に何を測っているのかという根拠と、フィラーを減らす具体的な練習方法を扱う。
Yahoo!知恵袋にこんな投稿がある。「AI面接のフィードバックで以下の内容が来ました。もう落ちだと心括った……時折『ええ』や『まあ』といった口癖が見受けられましたので、これらを意識的に減らすことで、より自信を持っている印象を与えられるかもしれません」
これは推測ではない。AIが実際に自分の話し方を解析し、フィラーワードの使用を名指しでフィードバックしてきた実例だ。多くの候補者は「話す内容さえ良ければいい」と思ってAI面接に臨むが、少なくとも一部のサービスでは、話し方そのものが独立した採点項目になっている。
AI面接は本当にフィラーを検出しているのか
答えは「はい、少なくとも一部のサービスでは明確に」だ。HR-tech企業のkaeka(株式会社カエカ)は、自社の音声評価サービス「kaeka score」にフィラーワード検出機能を追加したと発表している。「えー」「あの」「えっと」といった口癖を8つの診断要素の一つとして検出し、AIと人間のスピーチコーチによる採点を組み合わせる仕組みだ。
新卒採用のAI一次面接で国内シェアが大きいSHaiN(タレントアンドアセスメント社)も、経済産業省の「社会人基礎力」12項目などを基準に、回答内容・表情・声のトーンを解析して10段階評価のレポートを返す。HireVueのようなグローバル製品も含め、「話し方」が独立した解析対象になっていること自体は、もはや珍しい話ではない。
つまり、「フィラーが多いと評価が下がる」というのは都市伝説ではなく、少なくとも一部の商用AI面接サービスにおいては、名指しで測定されている採点項目だということだ。
沈黙はフィラーより評価されやすい
対策を考えるうえで一番使える事実がこれだ。AI面接開発元の解説記事では、「多少の間があっても減点にはならない……一呼吸置いてからハッキリと話す方が、むしろ落ち着いた印象としてプラスに評価される」という趣旨の説明がされている。
これは声のトーンやペースの解析結果から導かれる評価ロジックだと考えられる。質問を聞いた直後の1〜2秒の沈黙は「考えている」という自然な間として処理されやすいが、その同じ1〜2秒を「えっと」「あのー」で埋めると、不安や準備不足のシグナルとして解析されやすい。
つまり対策の方向性は「フィラーを別の言葉に置き換える」ことではなく、「フィラーで埋めていた沈黙を、そのまま沈黙のままにする」練習をすることだ。
日本語話者はなぜフィラーが増えやすいのか
英語の「um」「uh」に比べて、日本語の面接では「えっと」「あの」「そのー」「なんか」「まあ」といったフィラーが多用されやすい。研究で断定されているわけではないが、有力な説明の一つが敬語の処理負荷だ。
面接では回答内容を考えると同時に、敬語として文章を組み立てる作業が発生する。「思う」を「思います」に変換するだけでなく、謙譲語・尊敬語を状況に応じて選び直す作業が、回答内容の構築と並行して脳内で走っている。この二重負荷が、フィラーで時間を稼ぐ癖を強化している可能性がある。
「フィラーが多いと落ちる」への反論も知っておく
一方で、この論点には健全な反論もある。SNS上の議論では「フィラーが多い=考えながら話している=準備不足」と見る採用側の声に対し、「頭を使い倒す必要がある仕事にはフィラーがあって当然」という反論も広く共感を集めている。将棋の藤井聡太さんのインタビューを例に、深く考えている人ほどフィラーが増える場面もあると指摘する声もある。
結論を単純化しすぎないことが大事だ。フィラーそのものが悪いのではなく、AI面接という「録画された数分間で第一印象を作らざるを得ない」限定的な場面において、フィラーを減らす練習をしておくことが実利的に得だ、という話に絞って考えるのが現実的だろう。
フィラーを減らす具体的な練習方法
1. 沈黙を怖がらない練習をする
質問を聞いた直後、答え始める前に1〜2秒黙る練習をする。声に出さずに「1、2」と数えてから話し始めるだけでいい。最初は不自然に感じるが、録画して見返すと、思っているほど間延びして見えないことが分かる。
2. 結論から話す型を固定する
フィラーが増える瞬間の多くは、「何から話せばいいか」を考えながら話し始めるタイミングだ。結論→理由→具体例、という型を先に決めておけば、話し始めの迷いが減り、フィラーが入り込む隙間も減る。
3. 自分の録画を聞き返してフィラーの数を数える
感覚では自分のフィラーの多さは把握しづらい。1分間に何回「えっと」が出ているかを実際に数えると、多くの人は自分の想像より多いことに驚く。これが行動を変える一番のきっかけになる。
4. AIとの模擬面接で回答の「型」を固める
AceRound AIでは、模擬面接を通じてSTAR法に基づいた回答を繰り返し練習できる。話した内容は文字起こしされ、回答の内容・構成・STAR法の使い方についてのフィードバックがレポートとして返ってくるので、「何を・どういう順番で話すか」を本番前に固めておける。フィラーが増える一番の原因は話し始めの「何から話そう」という迷いなので、答えの型が固まっているほどフィラーは自然と減っていく。フィラーの数そのものは上記3のように自分の録画を聞き返して数え、AIには回答の中身と構成を鍛えてもらう——この役割分担が現実的だ。面接の緊張対策と合わせて練習すると、フィラーが増えるもう一つの原因である「緊張」自体にもアプローチできる。

まとめ:フィラー対策は話す内容の対策と同じくらい重要
AI面接の対策というと回答内容の準備に意識が向きがちだが、kaekaのフィラーワード検出機能やSHaiNの音声解析のように、話し方そのものが独立した採点対象になっているサービスは実在する。フィラーを完全になくす必要はないが、沈黙を怖がらず一呼吸置く練習をするだけで、印象は変えられる。AI面接の仕組み自体を理解しておくことも、対策の土台として役に立つはずだ。
FAQ
AI面接ってどんな感じですか?どんなことをしたら落ちますか? AI面接は録画された自分の回答をAIと人事の両方、あるいはAIのみが評価する形式が一般的で、話す内容だけでなく話し方(フィラー、沈黙の使い方、声のトーン)も採点対象になり得る。落ちやすいのは、質問への回答がずれている、具体性がない、そしてフィラーが多すぎて「準備不足」という印象を与えてしまうケースだ。対策は、内容を練ることと同じくらい、話し方の練習に時間を割くこと。
AI面接のフィードバックで「口癖を減らしましょう」と言われました。本当に見られているんですか? 見られている可能性は高い。実際にAI面接サービスの中には「時折『ええ』や『まあ』といった口癖が見受けられましたので、意識的に減らすことでより自信を持っている印象を与えられるかもしれません」という具体的なフィードバックを返すものがある。これは主観的な感想ではなく、音声解析でフィラーワードを検出した結果として出力されている可能性が高い。
フィラーが多い人は本当に不採用になりやすいのですか?「準備不足」と決めつけるのはおかしくないですか? この論点はSNSでも実際に議論になっている。「フィラーが多い=考えながら話している=準備不足」と見る採用側の声がある一方、「頭を使い倒す必要がある仕事にはフィラーがあって当然」という反論も根強い。結論としては職種によるというのが実態に近い。ただしAI面接という「限られた録画時間で第一印象を作る」場面では、フィラーを減らす練習をしておいて損はない。
沈黙とフィラー、どちらが面接の評価に良い影響を与えますか? 多くのAI面接開発企業が一致して示すのが、質問を聞いてから1〜2秒の沈黙を置くことは「落ち着き」として評価されやすく、その沈黙を「えっと」で埋めることは不安・準備不足の印象につながりやすいという点だ。沈黙を怖がらずに、一呼吸置いてからハッキリと話し始める練習をするだけで、印象は変わる。
敬語を使うとフィラーが増えるのはなぜですか? 断定的な研究データがあるわけではないが、敬語で文章を組み立てる作業は、回答内容を考える作業に加えてもう一段階の処理負荷を脳にかける。英語の「um」「uh」よりも日本語話者が「えっと」「あの」「そのー」「なんか」「まあ」を面接で多用しやすいのは、この二重の処理負荷が一因だと考えられる。
著者 · Alex Chen。キャリアコンサルタント兼元採用担当者。採用側で5年間を過ごした後、候補者支援に転向。面接の教科書ではなく、現場のリアルを書いている。
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